ドラム練習帖

ドラムの練習って楽しいですよね。練習にまつわるネタを更新していきます。

シングルストローク・フォー

ルーディメンツの中で、個人的に一番使い勝手が良く、
上達にも寄与する重要なテクニックだと思っています。

シングルストローク・ダブルストロークときたら、
通常、次はパラディドルに行くところですが、
あえて、このシングルストローク・フォーにトライすることをオススメします。

何が良いのか

短い4連打ですが、高速でスティックを動かすので、
左右交互のシングルストロークの上達に役立ちます。

また、慣れてくるとわかりますが、ダブルストロークの手の動きも絡んできますので、
ダブルの上達にも役立ちます。

ダブルの動きで、間にはさむイメージ。
(R1打目⇒L1打目⇒R2打目⇒L2打目)
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また、短いフレーズゆえに色々なところに応用でき、バリエーションが広がります。

オモテパターン

1拍目から開始します。

右手スタート、左手スタート、交互の3パターンを練習しましょう。
2個ずつ、3個ずつで左右交代するのも良い練習になります。

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ウラパターン

4拍目ウラからスタートします。

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アクセントについて

1つ目の音符にアクセントを付けるか、
最後の音符にアクセントを付けるかで、印象が異なるフレーズになります。

両方練習しましょう。

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使いどころとしては、フィルインの1拍目に装飾を付けると一味変わりますし、
ラテンやブラシのプレイでは定番のフィルとなります。

ぜひ、マスターしてください!





トリプルストローク

1打の動作で3回音を鳴らします。

実は、ダブルストロークとは手の使い方が違います。
ダブルと同じ感覚で1打増やそうと思うと行き詰まります。

とはいえ、ダブルのコツをある程度つかんでからのほうが
取り組みやすいとは言えます。

感覚をつかむ

ダブルは「捕まえる」感じですが、トリプルは「転がす」感じです。
「上下」ではなく、「左右」に動かします。

手の動きを上から見ると、チップを中心として、
スティックの軌道が「扇形」になります。

スティックを打面に落とした後、手首を少し回転させながら
体の外側に移動しつつ、2打目・3打目を鳴らします。

少し手を引き上げるようにするとやりやすいかもしれません。

最初は1打目を大きめに鳴らし、3回音が鳴る感覚をつかんでください。

小手先でやらない

手首から先だけで叩こうとするとなかなかうまくいきません。

こちらでも紹介したように、肩甲骨を起点として、
翼の羽ばたきのように1打目を落とし、引きながら2,3打目が鳴る感覚を意識してみてください。
drumworld.hateblo.jp

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使いどころ

ロッカバラード(古い?)などでハイハットを3連刻みすることがあります。
この場合もトリプルの延長で、1拍目にアクセントをつけて演奏します。

腕の振りは3回に1回なのでキープしやすく、楽に演奏できます。
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また、トリプルを使う場合はツブをそろえる必要はあまりなく、
1打目にアクセントを付ける手順が多いと思います。
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トリプルストロークならではの手順や楽器の鳴り方を生かせると良いですね。





ダブルストローク

ドラムを初めて最初に当たる壁が、ダブルストロークです。
2発ずつ叩く感覚がなかなかつかみにくいですね。

感覚をつかむ

まずはスティック持ち、打面に落とします。
手とスティックを同時に下に落とす感じです。

スティックの先が打面に当たった瞬間、
親指と人差し指以外の指を少し開きます。

これで1打目が鳴りました。

次に、スティックが下がるのに合わせて手を少し持ち上げながら、
さきほど開いた3本指を握ります。

するとスティックが再度打面に当たり、2打目が鳴るはずです。

最初は少し大げさにゆっくりと、2回音を鳴らす動作を確認しましょう。

タンタン⇒タタン⇒タタッ
という感じで少しずつ早くして感覚を確かめます。

あとは左右交互に続けて叩く練習だけです。

音のツブをそろえる

どうしても2打目が小さくなり、音のツブがそろわないと思います。

その場合は、2打目を大きくするよりも、
1打目を小さくする(落下のスタート地点を低くする)ことで、
ツブがそろいます。

小さくきれいな音でダブルが叩けるようになるころには、
どうすれば音量を大きくできるかも理解しているはずなので、
最初は音をそろえることだけに集中してみてください。

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ダブルストロークは、1動作で2打たたくことで、細かい音符が演奏できます。
6連符を3連符のシングルと同じ感覚で演奏できるようにしましょう。





テンポについて

練習するときのテンポ設定ってどうしていますか?

同じフレーズでも、テンポが変わるとできなくなったり、
というのはよくあることですよね。

私は、同じフレーズを練習するときは、
大体3種類のテンポで取り組みます。

基準というか、一旦の目標にしているのは、
ルーディメンツなら60, 120, 180です。

パターンなら240くらいまでを目標にしています。

ひとまず、「遅い・普通・速い」ができるように練習します。

もちろん、フレーズによって不可能なものや、
速すぎるテンポで演奏しても意味がないものもあるので、
その場合は2種類になる場合もあります。

ただし、必ず「遅い」から取り組みます。

ゆっくり「すぎる」テンポで練習して、
手順、ボリュームをしっかり認識します。

そこから速くしていきます。

基準テンポで厳しい場合は、10ずつ上げていったりします。

目標とするテンポで演奏できるようになったら、
日によって基準テンポから5~10程度ずらして、
色々なテンポで練習したりします。

よく言われることですが、速く演奏する近道は、
めちゃくちゃ遅いテンポで練習することです。

速く演奏することは、体を速く動かすことではなく、
速いフレーズの手順を、速いテンポでも脳が認識できるように
訓練することだと思います。

遅いテンポで練習して、一晩寝たら速く演奏できるようになっていた、
ということもしょっちゅうあります。

限界まで練習して行き詰ったときは、寝ましょう。


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メトロノーム

ドラムの練習をする際、メトロノームは必須アイテムです。

ただし、メトロノームに合わせる練習をしてはいけません。

メトロノームを鳴らしながら練習していると、
つい鳴っている音に合わせてしまいますが、
それはよくありません。

ずっと鳴らしっぱなしで練習するのではなく、
鳴らして練習する必要があるかを見極めて使うことが大切です。

メトロノームに頼りすぎた練習をすることによって、
自分の中のリズム感や歌心が損なわれる場合があります。

メトロノームが必要な場面としては、楽曲のテンポの確認や、
自分の感じているリズム感が正しいかをチェックするために
一時的に鳴らすくらいで良いです。

長時間のテンポキープの練習の場合は鳴らす必要がありますが、
その場合も、鳴らした場合と鳴らしていない場合、両方でやってみて、
自分の耳で気持ち良い状態になっているかを判断しましょう。

メトロノームを聞きながら練習するよりも、
練習を録音してチェックするほうが有用です。

ずれていれば絶対に気持ち良くないので、メトロノームを使わなくても気づけます。

大切なのは「メトロノームに合っているか」ではなく、
「気持ち良いリズムが出せているか」です。

それを理解した上で、メトロノームをうまく活用しましょう。

メトロノームのクリック音を他の楽器と解釈し、
 合奏する感覚で練習することは役に立つと思います。


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イヤホンタイプで邪魔になりません。
値段も安くてオススメです。


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1000円台で買えます。
色々な機能がついているものもありますが、4分音符が鳴れば十分です。





シングルストローク

左右交互(オルタネート)に叩く、基本中の基本。
一つ打ちとも言いますね。

これだけマスターすればほぼ何でもできます。

ここでは左右均等な音量で、
ソフトに力を抜いて演奏することを目標とします。

スティックを打面に落とすと自然に跳ね返ってきます。

これをうまく利用して、最小限の力で演奏します。

まずは打面から10cmくらいの高さで、
リラックスした音が出るように練習してみましょう。

コントロールに意識が行き過ぎると、
ヒジや肩が固まりがちです。

腕は肩甲骨から生えていますから、
動きの起点を肩甲骨として、
肩、ヒジ、手首、指が
連動して動くイメージを持ちましょう。

右と左で音量を揃えるコツは、
スティックの高さを揃えることです。

同じ高さから自由落下した場合の
位置エネルギーは同じため、音量も同じになります。

8分音符または16分音符と、
3連符で練習します。

3連符は1拍ごとに手順が入れ替わるので、
左右のバランスを整えるのに役立ちます。

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腕の振り方

腕は肩甲骨から生えています。

大きなフォームだけでなく、小さな動きの場合でも、
肩甲骨から動かす意識があると良いです。

肩甲骨、肩、ヒジ、手首、指が連動していることを意識しましょう。

イメージとしては、よくムチが例えに出ますが、
私のイメージは鷲の羽ばたきです。

ブワサッ、ブワサッという羽根のしなやかな動きをイメージしています。


体の使い方は、動画で確認するのが早いです。

【Steve Smith: Drum Set Technique/History of the U.S. Beat】

このDVDは基本から応用まで必要なことが全て網羅されており、
説明もわかりやすく、本当にオススメです。